
人生初の金沢旅行は、想像以上に最高でした。
控えめに言っても、とにかく海の幸が別次元です。
回転寿司ですら「銀座の高級店レベルでは?」と思うほどクオリティが高くて驚きました。
特に、寿司好きの友人いわく、現地の
「もりもり寿し」は「銀座にあってもおかしくない」と断言していたほど。北陸のポテンシャル、おそるべしです。
そんな“海鮮天国”金沢で、今回三泊四日で滞在したのが
「金沢湯涌温泉 百楽荘」。
宿泊後に何人かから
「で、どこ泊まったの?」と聞かれるくらい印象に残ったので、この記事では
実際に泊まって感じた「百楽荘の魅力」をできるだけ具体的にお伝えします。
Contents
金沢湯涌温泉 百楽荘の立地・アクセスは?

「地図で見ると分かる通り、金沢駅から徒歩圏内ではありません」
ただ、その一点だけで候補から外してしまうのは本当にもったいないです。

百楽荘オリジナルの送迎バスが、金沢駅まで迎えに来てくれます。





上記の写真は、金沢駅から百楽荘への送迎バスの車内から撮影したものです。
数日滞在すると、どうしても観光と宿のバランスを取りたくなりますよね。
その点、百楽荘は
「兼六園」「21世紀美術館」「金沢駅」「近江町市場」
といった主要スポットまで、送迎対応をしてくれます。
もちろん往復ともに無料です。
片道だけ送ってもらう/迎えに来てもらう、という使い方もできるので、
「もう少し観光したいな」というときにも柔軟に調整できます。
観光面だけでいえば、上記の有名スポットは
タクシーならワンメーター圏内、市内循環バスも使えるので、
「観光は市内、泊まるのは静かな湯涌」という贅沢な組み合わせが楽しめます。
金沢湯涌温泉 百楽荘の内装・館内の雰囲気




旅館が金沢駅から少し離れている話は先ほど触れましたが、
その「距離」がむしろ魅力になっていると感じました。
一歩足を踏み入れると、都会の喧騒とは完全に無縁の、静かな山あいの空気に包まれます。
自然に囲まれた場所に、凛と佇む上質な高級旅館――
まさにそんなイメージです。
館内のインテリアは細部までこだわり抜かれていて、
一つ一つの調度品から「いいものを選んでいるな」というのが伝わってきます。
それでいて、肩肘張らずにくつろげる“ちょうどいい高級感”が心地よかったです。

館内には遊技スペースもあり、ビリヤード・ダーツ・卓球をはじめ、
知恵の輪などのちょっとした遊び道具も揃っています。
さりげなく置かれている「ハリボー」や「チュッパチャプス」、
「ルイボスティ」「オレンジジュース」などのドリンクも、
「ちょっと一息つきたい」ときに本当にありがたい存在でした。


部屋の鍵ひとつとっても、このデザイン性。
小物からも「手を抜いていないな」と感じられます。

館内図を見て分かる通り、建物自体はそれなりの規模ですが、
客室はわずか12室のみ。
そのため、館内が人でごった返すことはなく、常にゆったりとした時間が流れています。




窓から眺める景色も、まるで一枚の絵画のよう。
等間隔に置かれた壺も含めて「このビューを狙って作ったんだろうな」と感じる完成度です。

ここからは、実際に宿泊したお部屋の様子です。









連泊の場合は、同じ内容を翌日もしっかり補充してもらえます。

部屋には浴衣も用意されています。
サイズや柄を変えたい場合はフロントで交換してもらえますし――


フロント横のエレベーター近くには、好きな柄を選べる浴衣コーナーもあります。

「ナノケア(ドライヤー)が置いてある旅館」は、個人的には初めてでした。
こういう細かいところのグレードの高さも嬉しいポイントです。

もちろんウォシュレット完備。
スリッパまでおしゃれで、世界観が統一されています。

空気清浄機も常備されています。
補足ですが、客室は完全禁煙。
喫煙した場合は罰金8万円というルールがあり、チェックイン時にサインします。
きちんと専用の喫煙スペースが用意されているので、喫煙される方もそこだけ利用すればOKです。

そして何より印象的だったのが、この部屋からの眺め。
「ずっと眺めていられる、完成された一枚の風景画」という感じです。


アメニティ類も申し分なく、トータルで「部屋から一歩も出なくても完結できる宿」という印象でした。
金沢湯涌温泉 百楽荘をおすすめする理由①:圧巻の食事
「金沢湯涌温泉 百楽荘」には、三泊四日で滞在しました。
つまり、朝食3回・夕食3回という、なかなか贅沢なコースです。
ここからは、その全ての食事を写真とともに振り返ります。
夕食の開始時間は、確か
「18時」 or 「19時30分」から選択可能でした。
フルコースなので、デザートまで含めるとおおよそ2時間前後。
ゆっくり楽しみたい人はその前提でお腹と時間を空けておくのがおすすめです。
もちろん、少しテンポを早めてほしい場合などは、スタッフに伝えれば調整してくれます。
一日目 夜














ご飯ものはメニュー上では「松茸ご飯」でしたが、
私がきのこ全般NGであることを事前に伝えていたところ、
栗ご飯に変更してくださっていました。

デザートの「加賀みそアイス」が特に印象的でした。
さっぱりしているのに、しっかりコクのある不思議なバランスで、完全にツボです。
市販されていないのが本気でショックなくらいでした…。


そして、食事を終えて個室を出ると、
このように夜食がそっと置かれています。
正直、夕食だけでお腹いっぱいなので、持ち帰る人は多くはなかったと思いますが(笑)
それでも、「ここまでやってくれるんだ」という嬉しさがありました。
量だけでなく「見た瞬間に気分が上がる料理」が続くのは、なかなか得難い体験です。
二日目 朝



鍋の中身は、ほっとする味わいの金沢おでんでした。




二日目 夜






このかぼちゃは、器ごとすべて食べられます。



メインは、言うまでもなく能登牛。
脂の質がよく、しっかりした旨みがあるのに重くない、危険なやつです。

二つ並んでいる理由は、私が事前に「きのこ」と「ナス」が苦手とお伝えしていたため。
料理ごとに、食べられない食材をきちんと抜いて提供してくださいました。


三日目 朝








三日目 夜














きのこを抜き忘れている料理も一部ありましたが(笑)、
それを差し引いても、アワビをはじめ全体的な満足度はかなり高かったです。




四日目 朝



一つひとつの器も、ただの食器ではなく
「これ自体が作品なのでは?」と思うようなデザインでした。
おそらく伝統工芸の器を使っているのだと思います。



「百楽荘 生プリン」は、ネットでも購入可能なようです。
牛乳と卵の濃厚さがありつつ、後味は意外とすっきり。
スプーンですくうたびにやみつきになるタイプのプリンでした。
金沢湯涌温泉 百楽荘をおすすめする理由②:温泉の充実度
私が旅行にハマったきっかけは、間違いなく「温泉」の存在です。
金沢の温泉地としての知名度は、草津や箱根ほどではないかもしれません。
それでも、百楽荘の温泉体験は満足度が非常に高かったです。
温泉の楽しみ方は大きく分けて三種類。
「露天風呂付き客室」
「大浴場」
「貸切温泉」
百楽荘には別館と新館があり、宿泊プランによって利用できる設備が多少異なります。
露天風呂付き客室



私が利用したのは、カップルプラン
【12月OPEN】★彩心IROHA半露天付★(8帖+広縁)[禁煙]のお部屋。
客室内に温泉がついているので、
「温泉に入りたい」と思った瞬間に、秒で湯船に浸かれる環境という、贅沢すぎる体験ができます。
大浴場








露天風呂付き客室だと、つい部屋のお風呂ばかり使いがちですが、
気分転換に大浴場を使えるのも嬉しいポイントです。
貸切温泉
貸切温泉は「宿泊数 × 50分」が基本ルールです。
私の場合は三泊だったので、初日・二日目・三日目と、
それぞれ50分ずつの貸切枠がありました。








予約時に時間帯を選べるのですが、
時間帯によって、まったく違う景色が楽しめるのが大きな魅力です。
連泊する場合は、ぜひ違う時間帯を選んで
朝・昼・夜それぞれの表情を楽しんでみてほしいです。
金沢湯涌温泉 百楽荘をおすすめする理由③:従業員のおもてなし
宿選びでは「料理」と「温泉」が真っ先に語られがちですが、その品質を支えているのは、結局のところ「人」だと思います。
百楽荘は、まさにその「人の良さ」が際立つ旅館でした。
従業員のおもてなしがあったからこそ、「人生で最上クラスの滞在」になったと断言できます。
清潔さ
館内はもちろん、客室・共有スペースを含めて、チリやホコリをほぼ感じません。
特に驚いたのが、喫煙所での出来事。
一度喫煙所を利用して、卓球をして、20〜30分後に再び立ち寄ったところ、
すでに灰皿はきれいにリセットされていました。
しかも、館内であまりスタッフの姿を見かけないのに、この清掃レベル。
おそらく、お客さんの視界に入りすぎないよう、気を配りながら動いているのだと思います。
「自宅以上にくつろげる空間」を、裏側の努力で支えてくれていると感じました。
スタッフの笑顔
百楽荘のスタッフを思い出そうとすると、不思議と「笑顔」しか浮かんできません。
それくらい、どの方も印象がよく、
会話を交わすだけでこちらまで温かい気持ちになれました。
特に忘れられないのが、最終日の夕食。
この日の配膳は、なんと料理長自ら行っていました。
料理が素晴らしいのはもちろんのこと、
気さくで話しやすく、最後にきちんと挨拶までしてくださって感動しました。
ユニークなサービス
百楽荘には、他の旅館ではあまり見かけないサービスがいくつもあります。
一つ目は、女性宿泊客に対する無料エステサービス。

宿泊数 × 30分のコースが無料で受けられます。

二つ目は、無料ドリンクサービス。
こちらは大浴場脇の休憩スペース。

遊技場スペースにも無料ドリンクが用意されています。

そして個人的に一番テンションが上がったのが、「アフタヌーンティー」。
お昼〜夕方の時間帯に、お茶とスイーツを楽しめるサービスなのですが、
正直、最初はまったく期待していませんでした。
ところが、運ばれてきたのは
「これ、どこの英国貴族のティータイム?」というレベルのセット。
思わず声が出るくらいテンションが上がりました。
金沢湯涌温泉 百楽荘の総括
まず最初にお伝えしておくと、百楽荘は「高級旅館」に分類されます。
「三泊四日・大人2名で18万円超」
久しぶりにまとまった休みが取れたタイミングだったので思い切って奮発しましたが、
普段の旅行感覚だと、正直かなり勇気のいる金額です。
ただ――
「料理」「温泉」「サービス」の三拍子がこれだけ高いレベルで揃っていると、
むしろ「またこのために頑張ろう」と思わせてくれる宿でした。
今でも、従業員の方々一人ひとりの笑顔や、細かな心配りをよく覚えています。
思い返しても、出てくるのは「いい思い出」だけです。
金沢駅から少し離れた立地だからこそ、観光だけでなく「日常から離れて心身をリセットする場所」としてもぴったりだと思います。
自分がどれだけリラックスして、心から楽しめるか――
旅行で一番大事なのは、きっとそこだと思います。
その点、「金沢湯涌温泉 百楽荘」は、
細かいことはすべて旅館側に委ねて、ただのんびりと過ごせる場所でした。
忙しい社会人の方のご褒美旅としてはもちろん、
「最近ちょっと疲れたな…」というタイミングのリセット旅行にも、
間違いなくベストな一軒だと思います。



















